農山村地域経済研究所 新庄支所から

豊かな自然と宝物がいっぱいの農山漁村が、全国各地にあります。この村々を将来の世代に残そうと、一年の半分以上を農村行脚しながら、村づくりをサポートする楠本雅弘という先生がいます。これは先生の応援ブログです。

内側からの農村再生を!!  森先生からの贈り物

 昨年の8月6日に、私たちが行っているサークル「ゆかいな勉強会」で、私の恩師、森武麿先生が講演してくれましたが(その報告は、以前ブログに書きました)、その時の講演のレジュメを元に原稿化してくださいました。

 「戦前農村経済更生から現代農村再生へ ―農村経済更生運動の歴史的教訓ー」(2017年2月 『歴史と民俗』神奈川大学日本常民文化研究所論集33)

 論文の「要旨」の部分を紹介します。

 「戦前農村更生は上からの農村再生(国家主導型)、外からの農村再生(外発型)であった。この弱さが農民を戦争とファシズムの道に導いた。現代の農村再生は下からの農村再生(自治型)であり、内からの農村再生(内発型)であることが求められる。すなわち「上から」と「外から」の農村更生から、「下から」と「内から」の農村再生に転換しなければならない。特に思想転換は、戦前の農本主義を克服し閉じた共同体から開かれた共同体へ、持続可能な地域社会、都市住民の田園回帰も含めた都市と農村の共同社会の建設が目標であろう。」

 当日は、簡単なレジュメを準備するとの事でしたが、12ページにもわたるもので、到底2時間の講演では終わるものではなく、場所を居酒屋に変えて、私達と語り合いながら、本当に熱のこもったお話をしてくださいました。

 興味を持たれたら、お読みください。農山村の再生を考え、実践していく参考書にしていただけたら嬉しいです。