農山村地域経済研究所 新庄支所から

豊かな自然と宝物がいっぱいの農山漁村が、全国各地にあります。この村々を将来の世代に残そうと、一年の半分以上を農村行脚しながら、村づくりをサポートする楠本雅弘という先生がいます。これは先生の応援ブログです。

祈り 李政美コンサート in 新庄 2017

 6月27日(火)、庄司さんの所(そば屋)で恒例の李政美さんのコンサートがありました。その透明感のある、のびやかな歌声にいつも癒されます。彼女は、とても歌詞=言葉を大事にされたゐると感じます。一語一語とても大事にされています。それ故なのか、イメージを増幅させ、風景が浮かんできます。トークもそうですが、歌もとてもストイックで、押しつけがなく、私に自然に入ってくるのです。やっぱり涙がこみ上げてきました。

 コンサートの後、懇親会に参加させていただき、ピアノの竹田さん、ギターの矢野さんとも親しく話を聞き、即興の歌声喫茶の雰囲気で、本当に楽しむ事ができました。いつもこのコンサートを企画してくれる多一さん、ありがとう。

 今回の目玉は、李政美さんが、本格的に歌い始めるきっかけとなった山尾三省の「祈り」と「遺言」でした。私の勝手な願いですが、これからもこの歌を歌い続けてほしいです。このような歌こそ、今必要なのだと思います。

 

祈り

 

作詞:山尾三省

作曲:李政美

南無浄瑠璃

海の薬師如来

われらの病んだ心身を 癒したまえ

その深い 青の呼吸で 癒したまえ

 

南無浄瑠璃

山の薬師如来

われらの病んだ欲望を 癒したまえ

その深い 青の呼吸で 癒したまえ

 

南無浄瑠璃

川の薬師如来

われらの病んだ眠りを 癒したまえ

その深い せせらぎの音に やすらかな枕を 戻したまえ

 

南無浄瑠璃

われら人の内なる薬師如来

われらの病んだ科学を 癒したまえ

科学をして すべてのいのちに奉仕する 手だてとなしたまえ

 

南無浄瑠璃

樹木の薬師如来

われらの沈み悲しむ心を 祝わしたまえ

その立ち尽くす 青の姿に

われらもまた静かに 深く立ち尽くすことを 学ばせたまえ

 

(南無浄瑠璃

風の薬師如来

われらの閉じた呼吸を 解き放ちたまえ

その大いなる 青の道すじに 解き放ちたまえ)

 

(南無浄瑠璃

虚空なる薬師如来

われらの怖れ乱れる心を 鎮めたまえ

その限りない 青の透明に 鎮めたまえ)

 

南無浄瑠璃

大地の薬師如来

われらの病んだ文明を 癒したまえ

その深い 青の呼吸の あなたご自身を あらわしたまえ

 

オンコロロ センダリマトウギ ソワカ

 

※アルバム「わたしはうたう」/アルバム「李政美LIVE2011―いのちの讃歌」所収

 

 

山尾三省氏の「遺言」より引用)

 まず第一の遺言は、ぼくの生まれ故郷の、東京・神田川の水を、もう一度飲める水に再生したい、ということです。神田川といえば、JRお茶の水駅下を流れるあのどぶ川ですが、あの川の水がもう一度飲める川の水に再生された時には、却初に未来が戻り、文明が再生の希望をつかんだ時であると思います。

 これはむろんぼくの個人的な願いですが、やがて東京に出て行くやも知れぬ子供達には、父の遺言としてしっかり覚えていてほしいと思います。

 

 第二の遺言は、とても平凡なことですが、やはりこの世から原発および同様のエネルギー出力装置をすっかり取り外してほしいということです。自分達の手で作った手に負える発電装置で、すべての電力がまかなえることが、これからの現実的な幸福の第一条件であると、ぼくは考えるからです。

 

 遺言の第三は、この頃のぼくが、一種の呪文のようにして、心の中で唱えているものです。その呪文は次のようなものです。

 南無浄瑠璃光・われら人の内なる薬師如来

 われらの日本国憲法の第九条をして、世界のすべての国々の憲法第九条に組み込まさせ給え。武力と戦争の永久放棄をして、すべての国々のすべての人々の暮らしの基礎となさしめ給え。