農山村地域経済研究所 新庄支所から

豊かな自然と宝物がいっぱいの農山漁村が、全国各地にあります。この村々を将来の世代に残そうと、一年の半分以上を農村行脚しながら、村づくりをサポートする楠本雅弘という先生がいます。これは先生の応援ブログです。

周防猿回し 猿舞座 新庄公演

 6月19日(日)、市の「新庄エコロジーガーデン原蚕の杜」で、2012年以来の<周防猿回し>の公演がありました。前回は室内での公演でしたが、今回は晴天に恵まれ、中庭での公演でした。久しぶりに村崎修二さんにお会いし、元気な姿を拝見し嬉しくなりました。(写真は、当日の物ではありません。すみません)

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 ところが当日、同じ場所で「携帯燻製器つくり」のワークショップを市役所職員で年の若い友人から頼まれ、公演を見る事が出来ませんでした。でも私の手伝いをしてくれていた女性たちが公演を見てきて、「素晴らしかったです。まるで子育ての話を聞いている様で、途中で涙が出てきました」との感想。
 お猿さんの芸は、3つか4つくらいしかありません。TVで有名になった「日光、サル軍団」とはだいぶ違います。厳しい訓練を繰り返し、出来なかったら叩かれたりする日光のお猿さんと違い、伝統的な日本猿の訓練法「本仕込み」(猿を無理に調教するのではなく、信頼関係を築き芸を覚えさせていくそうです。)で、お猿さんの性格や気持ちに寄り添って育てられています。だからお猿さんの機嫌が悪い時には芸をしなかったりも。そんなお猿さんペースに合わせ、一緒に猿舞を演ずる息子の耕平さんの話芸が秀逸です!!
 猿舞座は全国を行脚しています。お近くでの公演がありましたら、ぜひご覧ください。

 こんなことを書いていたら、「奇跡のリンゴ」の木村秋則さんを思い出しました。
 彼は「私が提唱する自然栽培は、自然の生態を重んじて、それぞれが持っている力を利用して栽培する方法です。決して放任ではありません。<あなたは、手を加える、それは自然じゃない>と、そんなことを言われます。」
「私は徹底して手を加えます。赤ちゃんは生まれてすぐは、お母さんのお乳を飲み、いろいろな愛情を受けながら、大きくなって来た。種を蒔いて、あとは勝手に育ちなさいと。それは種にとって、少しかわいそう。小さい時は雑草に負けるから、雑草を処置してあげる。ある程度のびると、雑草を超していく、だから手がかからない。」
「もしも私リンゴの木だったら、トマトだったら、と置き換えて、私は接して来ている」と言います。
 そして、リンゴの木の自分で育つ力を信じて見守っているのですね。だから立派な根がはり、台風が来ても倒れない。そして奇跡の実をつける。

 お猿さんを育てるのも、リンゴを育てるのも同じなんですね。おっと、人間も同じですね。