農山村地域経済研究所 新庄支所から

豊かな自然と宝物がいっぱいの農山漁村が、全国各地にあります。この村々を将来の世代に残そうと、一年の半分以上を農村行脚しながら、村づくりをサポートする楠本雅弘という先生がいます。これは先生の応援ブログです。

東日本大震災の振り返り    学びの確認と過ちを繰り返さないために Ⅰ

【復興10年を検証せよ!!! 子連れ狼よ、出てこい!!!】

 先ほど、NHKスぺシャル「徹底検証・除染マネー」を見ました!ご覧になっていない方は是非ともだれか録画している人にお願いして観ることをお勧めします。見ての感想は、

 <他人の不幸を食い物にするモノたち(人ではなく!)は、醜い!!!>

 

 時間というものは本当に悍(おぞ)ましいほどの力を持っているものだと、つくづく思います。いくら酷(むご)い経験をしたとしても忘れ去ってしまうことです。正確には、その経験を忘れていなくとも、その時の心の痛み、その時抱いたマンタリテ(mentarite:心性。その時抱いた感じ方、気持ち、考え方。)を喪失しているということ。これが、人々が過ちを繰り返す根源にある、と思わざるを得ません。

 

 阪神淡路大震災の時、14.4兆円の復興資金が投入されました。では、この資金の何%が被災地に投入されたとみなさんは考えますか?「そんなのすべてが投入されたに決まっている」実は、

 

その実態は「……震災後2年間に集中した復興需要、14.4兆円(うち公共投資、3割)の90%が被災地外に流出。被災地外の企業が復興利得の大半を持ち去った……」(兵庫県の推計)

  復興10年委員会は、地元への発注率がより高ければ復興も早まっていたかもしれない「資金の被災地への循環も考慮に入れれば、地域の供給能力の向上が平時から政策的に意図される必要がある」と言ってます。(復興10年委員会「阪神大震災 復興10年総括検証・提言報告」)

 

なんと90%です!東日本大震災が起こった後から、気になっていたのですが、被災地の人に聞いても今回のTVも同様で、大手ゼネコンを中心とした東京に本社のある大企業が、復興利得の大半を持ち去っているようです。そうであっても今回の復興事業を被災したすべての県で検証すべきだと強く思います。(国交省により、有識者自治体の都市整備担当者などで組織する「東日本大震災による津波被害からの市街地復興事業検証委員会」(座長・岸井隆幸日本大学理工学部土木工学科特任教授)の初会合を2020/6/26日に東京都内で開催。)

 

  まさしくナオミ・クラインの言う「ショック・ドクトリン(惨事便乗型資本主義)」です。復興事業の利得の多くを持ち去った大企業には震災は最高の金づるとしか映らないのでしょうね。TVでは、目に見える箱モノなどの事業では、雇用者の数の水増し・宿泊費・食費などの単価を引き上げたりして復興費用を引き上げ、予算など気にせずにどんどん仕事をしていきます。一方で山奥の個人の家の除染は、除染を約束していながら経済的に見合わないからと、約束を反故にしていました。

 

 あまりにもキタネェー!子連れ狼中村錦之助なら「てめぇら人間じゃねぇー! ぶっ殺したる!」 人の心を持たない法人を成敗してほしい!

 本当に、この世の中に、「子連れ狼」が現れてほしい!       あぁ、非情!